2025/02/17
“心・技・体”を磨く。70年超の伝統を誇る『宮崎県産業開発青年隊』

『宮崎県産業開発青年隊(宮崎市清武町)』は、昭和26年に発足して以来、多くの土木技術者を輩出してきた県立の教育機関です。
隊員たちは1年間、寮で寝食を共にしながら訓練を続け、建築土木や造園の技術を習得。卒隊後は【現場の即戦力】として羽ばたいてゆきます。
かつては全国に同様の機関が多数存在していましたが、現在まで残っているのは同隊のみ。そのため宮崎県内のみならず、九州圏内や四国からも入隊希望者が集まります。
さらに、隊員の中には「祖父、父も隊員だった」という人や両親ともに同隊出身者という人も。「大切な家族を送り出したい」と思えるほど、かつての学び舎への思い入れは強いということ。そこで過ごした1年の濃さを物語っています。
今回のビルミヤマガジンでは、同隊の語り尽くせない魅力の中からいくつかピックアップしてご紹介します。

〈魅力.1〉1年で最高15種類の資格取得が可能。公務員対策も
建設産業界での就職やキャリアアップを目指す場合、あらかじめ資格をとっておけば有利に働くものです。
同隊では、1年の訓練で【最高15種類の資格】を取得することができます。
【取得可能な資格例】
●大型特殊自動車運転免許
●測量士補
●情報処理技能検定
●ドローンライセンス
●アーク溶接特別教育講習修了証
●玉掛技能講習修了証
●小型移動式クレーン運転技能講習修了証 など
これらの資格取得を可能にするのは、学びと実践を並行する【実践的訓練】の数々。
これより下に続く写真で訓練の様子を少し覗いてみましょう。
〔↓測量実習の様子〕

〔↓特殊車両操縦実習の様子〕

〔↓コンクリート打設実習の様子。型枠組立から一連の流れを学ぶ〕


ちなみにこれらの訓練はすべて、学び舎である「宮崎県建設技術センター」の敷地内で行われるそうです。
ほかにも、パソコンを使った情報処理スキルの養成も行っています。
入社間もない土木会社の方から意外とよく聞かれるのは「WordやExcelの使い方をもっと勉強しておけばよかった」という声。施工管理には書類作成などのデスクワークも欠かせないため、使いこなせるようになっておくと安心です。

また、ドローンや3Dモデリングソフトなど、ICT施工に欠かすことができないツールの使い方を学ぶこともできます。時代の流れに応じて、求められるスキルも変化してゆくもの。歴史ある学びの場といえど、実習内容もどんどん進化しているのです。
加えて、同隊では【土木職の公務員】を目指す人のサポートも行っており、大原簿記の講師の協力を得た講義で毎年合格者を輩出しています。公務員志望の方も要チェックですよ!
〈魅力.2〉集団生活で“社会人としての資質”を育成
冒頭でお伝えした通り、隊員たちは入隊と同時に「宮崎県建設技術センター」内にある寮で共同生活をスタートします。
1日3度の点呼や早朝ランニングなど、同隊の寮ならではの伝統的な習慣もあり、慣れるまでは訓練と両立させるだけでも一苦労。令和を生きる若者にとってはなかなか厳しい経験といえるかもしれません。
しかし、この生活が苦難に負けない【健康的な心身】を鍛え、【他者と協力関係を築くスキル】を培うことにつながり、決して易しくない社会を生き抜く上で欠かせない経験になるのです。

〈魅力.3〉授業料・食費・寮費、すべてひっくるめて年間約80万円
同隊は県立の教育機関であるため、費用が安いのも特徴です。
授業料はもちろん、全寮制による食費や光熱費をすべてひっくるめても【総費用は年間約80万円】。
寮生活で訓練に集中できる環境も整っているため、高校卒業したてのお子さんを「安心できる場所に送り出したい」という保護者の方にとっても、良い選択肢と言えるかもしれません。
また、入隊後行われるインターンシップでは、【日当を受け取りながら】実際の現場で働く経験ができます。
ちなみに、社員研修の一環として入隊を勧める企業もあり、その場合なんと訓練費用は全額会社負担で、訓練期間も給与を受け取ることができます。興味のある方は志望している企業の研修制度を調べてみてはいかがでしょうか。

甘くない1年だからこそ得られる、一生モノの人脈とスキル
上の写真は、同隊の【同窓会】の様子をおさめた一枚です。
OB・OGが所属する「青友会」は各地に支部が存在しています。70年超の歴史の上に築かれた“縦のネットワーク”は、心強い味方です。
寝食を共にしながら同じ目標に向かい切磋琢磨して過ごした仲間たちとの【縁】は卒隊後も続き、困りごとがある時に助け合える大切な仲間になります。
安心して社会に羽ばたくための技術と精神力を磨き、一生手を取り合える仲間を得たいのなら、ぜひ「産業開発青年隊」への入隊を検討してみてください。

【この記事を書いた人】
- 所属:県土整備部管理課
- 名前:山田
- 一言:アイドルのコンサートが生きがい。
土木の魅力をはじめ、たくさんの情報を皆様にお伝えしていきます!