2025/01/23
「建設人材採用力向上セミナー」の様子をリポート!
新年を迎えて一発目のビルミヤマガジンは、令和7年1月21日に行われた「建設人材採用力向上セミナー」の様子をお届けします!
担い手不足が深刻化している建設業界。宮崎県の建設業における有効求人倍率はおよそ8倍と、九州圏内でも特に厳しい採用難に直面しており、多くの県内建設関連企業にとって採用力の強化は必須です。
そんな中、県内建設関連企業の経営者および採用担当者を対象に、一般社団法人宮崎県建設業協会の主催で行われた今回のセミナー。
新卒・中途採用や外国人材雇用のノウハウを2組の登壇者がシェアします。
一組目は『株式会社岡﨑組』。
同社はおよそ10年前から採用活動の改善に取り組み、近年では年に2〜5名を定期採用しています。
代表取締役・岡﨑氏は対策に乗り出すきっかけとして「就職ガイダンスで興味をもってくれる求職者は5時間待って1人だけ」と困難の時期があったことを振り返り、「まずは魅力的な企業になるために生産性の向上に取り組み、その成果を踏まえて会社の将来像を見せていくことが採用活動のスタート」と力説。
「何事も習熟期間が必要。その過程で必ず一旦生産性は下がり、社員から不満の声が上がることもあるが、5年も継続していれば必ず状況は変わる。乗り越えた先に成果がある」と熱弁をふるいました。
その後は同社の採用マネージャー・大塚氏がマイクを握り、より具体的な採用活動の話へ。
求職者との接触機会を増やしたり自社の認知度向上を図ったりといった“土壌づくり”が採用活動の基本であると話し、高校生・大学生を対象とした説明会、求人郵送、学校訪問、面接など有効な採用活動の時期や進め方などをレクチャー。
「いろいろと手を広げてみることで、自社に合った採用方法や自社に合った人材が眠っている場所が掴めてくる。するとより効率的な採用へと発展していく」とも話しました。
続いての登壇者は『アース建設コンサルタント株式会社』の代表取締役・濵村氏。
高度外国人材を育成し就業を斡旋する事業を行っており、その雇用・育成法などに深い知見を持ちます。
人口減少が進むなか、外国人材の活用は不可欠であると話し、在留資格や制度などについて説明した後、テーマは“言葉の壁”や“離職率”など、外国人材雇用でよく耳にする課題へ。
言葉が通じにくいからといってコミュニケーションを避けていては、日本語の習得がより遅れるばかりか技術も身につきにくくなり、仕事の質の低下に直結します。
「外国人材の有効活用には、“任せて、褒めること”や十分なコミュニケーションが必要不可欠。会話がはかどる環境づくりを」と、コミュニケーションスペースの設置など具体的な事例を紹介しました。
また、「外国人材も日本の若者と同様にスキルや待遇の向上を望んでいる」と話し、雇用契約書を交わして業務内容や給与・昇給についての条件を明示しておくことや、現場経験を積みながら着実に学べるような体制・システムを構築することが、離職防止や育成に有効と説明しました。
また、産学官と連携した取り組みにより、外国人材活用への道が一層開ける可能性についても触れました。
未経験、異業種からの転職、そして外国人材——今回の学びを活かすことで採用強化につながり、業界全体がさらなる成長を遂げてゆくことが期待されます。
【この記事を書いた人】
- 所属:宮崎県庁 県土整備部管理課
- 名前:大野
- 一言:宮崎県庁に入庁して11年目になりました。
現在は建設産業の担い手確保に関する各種施策などを担当しています。
趣味は休日の外食巡り、温泉、スポーツ観戦、格闘ゲームなどです。
皆さんに宮崎の建設産業に興味を持っていただけるようにがんばります!