ビルミヤマガジン

2025/05/02

旭建設の女性interview【中編】 「誰もが働きやすい」を叶えるアイディア。

ICTなどの新技術導入のみならず、働き方改革の分野でも大きく前進し、性別や年齢を問わずさまざまな人が働きやすい職場として注目を集める『旭建設株式会社(日向市)』。女性社員の活躍も目覚ましく、男女共同参画社会づくりに関する功労者として、同社社員の岡田久美子さんは今年1月、県の「女性のチャレンジ賞」を受賞されました。
今回は、そんな岡田さんを含む3名の女性社員へのインタビューを通して、建設業における女性の働き方やキャリアアップのヒント、また、同社の働きやすさの秘訣を探ります。

(写真左から)
●アセットマネジメント部 部長 岡田 久美子さん[入社14年目]
橋梁やトンネル補修工事の施工管理業務を担当。同社で初めて女性監理技術者に抜擢された実績をもつ。
●工事部 井上 優花さん[入社2年目]
入社1年目は産業開発青年隊に在籍。現在は現場で施工管理の経験を積んでいる最中。
●工事部 建設ディレクター 寺原 幸真さん[入社3年目]
施工管理業務に従事していたが、令和6年には同社初の建設ディレクターに就任。取材時は臨月で産休を控えていた。

「建設ディレクター」の導入で働き方改革を推進。

― 寺原さんは昨年「建設ディレクター」になられたそうですが、それまでは何を?

寺原さん:前職は食品関係の会社で工場勤務をしていました。けれど新しいことがしてみたくなって、旭建設のドローン測量のことを知り、「これだ!」と思いました。
入社後は現場業務に従事していましたが、昨年会社から声がかかり、建設ディレクターに挑戦することになりました。建設ディレクターとは、従来現場の技術者が担っていた書類作成等のバックオフィス業務を担う、新しい職域のことです。
一般社団法人建設ディレクター協会が実施する育成講座をフルリモートで受講し、修了テストに合格。難関といわれるドローンの国家資格も取得しました。社内で初めての登用だったので何もかも手探りで不安な気持ちもありましたが、周囲のフォローもあるため何とかやれています。何より、一度に一つの現場と密に関わる技術者と違い、書類作成業務を通していくつもの現場を支えるのはまた異なるやりがいがありますし、楽しいです。

― 建設業の新しい働き方ですね。

寺原さん:そうですね。ただ、現場によって工種もさまざまで、技術者の方と密にコミュニケーションをとっていく必要がありますし、内容を理解するにはやはり現場経験による豊富な知識が欠かせませんので、もちろん苦労もあります。

岡田さん:寺原さんの業務が安定するまでの間は私も本社に腰を据えて、現場知識を活かしたサポートを行っています。“旭建設ならでは”の建設ディレクターのあり方を一緒に確立していければ良いなと思います。

「隔週・週休3日制」で妊娠・子育て中も安心。

― 旭建設の制度や取り組み、職場環境などで、ご自身の働きやすさにつながっていると感じられるものはありますか?

寺原さん: わたしはいま妊娠していて産休を控えているのですが、最近弊社で試験的に導入されている制度に助けられていまして。それが、「隔週の週休3日制」です。

― なるほど、お休みが増えるのですか。妊娠中は体調面の不安も多いですし、通院の必要もありますよね。

寺原さん:そうなんです。その度に同僚に申し訳ない気持ちにもなりますし、そのぶんの仕事や有給休暇の調整が悩みの種って方も多いと思います。でも現状、隔週とはいえ「土日のほか、平日5日のうち1日休む」のが全社共通のルールになっているので、心身の負担がかなり減りました。

― お子さんの急な発熱や行事の際など、育児中の方にとってもいいですね。
妊婦さんだけでなく幅広い従業員の方が助けられそうな制度です。
井上さんは、「これが助かる!」という制度はありますか?

井上さん:私は新富町から車で通勤していて、出退勤の際には高速道路を通っても片道50分ほどかかるのですが、弊社は「残業禁止」で17:30には退社が義務付けられているため、夏なら明るいうちに自宅に戻って来られるのが良いです。

― 井上さんのように遠方から通っている方もそうですが、プライベートの時間を確保しやすいという点で、こちらもやはり幅広い方々の働きやすさにつながる仕組みですね。

困りごとは社員間で即共有・即解決。

― 逆に、「もっとこうなるといいのにな」と思うところはありますか?

寺原さん:うーん、特に思いつきませんね。
困りごとや気付きは、即相談・共有・解決していける仕組みがあるからかもしれないです。社員全員が閲覧できるクラウドツールがあって、掲示板のようにして各々気になったことを書き込んでいくんです。「廊下に荷物が積んであって掃除しにくいです」や「隙間風が入ってきて寒いです」など、些細なことでも、誰かが対応してくれます。

井上さん:現場の悩みもそうです。「事務所内に女性用の更衣室がない」という書き込みがあった際は、すぐに間仕切りのためのカーテンが設置されました。

― なるほど、その対応の早さも旭建設さんならではといえるかもしれませんね。
寺原さんはまもなく産休ですが、産休明けの自分のポジションについて不安に感じることはないですか?

寺原さん:不安はないですね!
しいていえば、自分が産休から戻ってきた時に、会社がどれほど変わっているかが気になります。旭建設はぐいぐい新しいことを取り入れて変革を遂げていく会社なので、数ヶ月でガラッと社内が変わることもありえますから、ちょっとドキドキです(笑)。

〈後編へ続く ※後編は5/7投稿予定〉

山田

【この記事を書いた人】

  • 所属:県土整備部管理課
  • 名前:山田
  • 一言:アイドルのコンサートが生きがい。
    土木の魅力をはじめ、たくさんの情報を皆様にお伝えしていきます!