ビルミヤマガジン

2025/07/25

木村産業interview 20代の視点「建設業ってホントに3K?」

建設業といえば、「力仕事が多く、過酷」「男性中心の業界」
働き方改革が進んできた昨今でも、そんなイメージが根強く残っています。

今回取材したのは、『木村産業株式会社(延岡市)』期待の新人・石田さんと内田さん。現場と事務、それぞれのフィールドで経験を積んでいる最中です。
20代のお二人の日々の実感を通して、リアルな建設業の現状を探ってみましょう。

(左から)※取材当時のプロフィール
●土木部 – 事務 石田 真菜さん[入社2年目]
商業高校出身、前職は医療事務。役所や下請け会社との契約〜完工に関わる書類作成等に加え、現場代理人が行う書類作成の一部を手伝う。
●土木部 – 現場 内田 博隆さん[入社1年目]
宮崎県産業開発青年隊の2年間にわたる訓練を経て入社。現在は現場代理人になるべく研鑽を積んでいる。

― お二人の入社理由を教えてください。

石田さん:前職で業務量や時間外労働の多さに悩み転職を考えていた際、木村産業の求人と出合いました。商業高校出身ということもあり事務職の求人は魅力的で、勤務条件や福利厚生が希望通りであったことや、「信頼を最優先に考える」という経営理念に強く惹かれたのが入社の理由です。

内田さん:元々身体を動かすことが好きで、現場作業に従事したいと思い建設業に進みました。宮崎県産業開発青年隊2年目のインターンシップで木村産業にお世話になり、会社の雰囲気や先輩方の人柄に惹かれて入社を決めました。

現場代理人は「縁の下の力持ち」。事務作業の多さに驚き!

― 建設業そのものや仕事内容に関して、入社後にイメージが変わったことはありますか?

内田さん:僕は「現場代理人」について、現場で一方的に指示を出していく“ボスのような存在”だと以前は思っていました。しかし、下請けの作業員さんに意見を求めたり話し合ったり、謙虚な態度でコミュニケーションを取る先輩方の姿を見て、実際には皆さんと協力しながら現場を支える、例えるなら“縁の下の力もち”のような存在だと知りました。

石田さん:私は現場代理人が担っている書類作成の一部を任されていますが、建設業の仕事というと“現場で汗を流す”イメージが強かったので、自分が関わってみて初めて“事務作業もかなりの比重を占める”と知りました。その点は大きなギャップを感じましたね。
また、木村産業の場合になりますが、有給休暇を2時間単位で取得できたり、繁忙期をのぞく4月から9月は「完全週休2日制」であったりと、想像以上に働き方改革が進んでいることにも驚きました。もっと皆さんにも知って欲しいです。

入社前にスキルを少しでも身につけておくとベター。

― 入社までに身につけておいて良かったと思うスキルはありますか?

石田さん:まさか自分が建設業に従事すると思っていなかったので「何もわからないだろうな」と思っていたのですが、商業高校で身につけた簿記やエクセル・ワードの知識がバックオフィス業務等に、秘書検定で身につけたマナーが下請けさんとのやり取りに今とても役立っています!

内田さん:たいていのことは入社してから会社の支援で講習を受けたり実地で教えていただいたりして身につけることができるのですが、覚えることがとても多いので苦労するのも事実です。
僕の場合は、あらかじめ宮崎県産業開発青年隊で「測量」を経験できていたことは大きかったですね。土木工事において測量は最も大切な工程の一つ。不慣れだと機材を据え付けるだけでもかなりの時間を要してしまうので、青年隊で繰り返し練習して慣れる機会をいただけたことは良かったと思います。

現場も事務も、“資格取得”が鍵。

― 現在の目標や自己研鑽のために取り組んでいることを教えてください。

石田さん:普段は事務を担当していますが、受注した現場全てに積極的に足を運んで知識を深め、できることの幅を広げていきたいです。
また、業務に役立つ知識が得られるほか、資格保有者が在籍している企業は「経営事項審査」において点数が加算され受注に有利に働くため、「建設業経理士」と「2級土木施工管理技士」の資格取得を目標にしています。

内田さん:僕は「1級土木施工管理技士」の資格取得を目指しています。学科試験と実地試験があり、現在は7月に行われる学科試験に向けて勉強を進めているところです。また、2級の実地試験も控えているので、両方の取得に向けて頑張っています。資格の有無によって立てる現場が変わってくるのでとても重要です。

「3K」はもう古い! 望む環境がきっとある。

― 最後に、建設業での就職を考えている皆さんへ、コメントをお願いします。

石田さん:事務員として現場に足を運んだり下請けさんとやり取りしたりする中で、業界全体が良い方向に変化を遂げているのを実感します。休暇や福利厚生を見ても、多くの方が働きやすいと感じる環境があると思うので、ぜひ飛び込んでみてほしいです。
また、先程もお伝えしたように、建設業では「事務作業」も非常に重要で大きな比重を占めています。PC作業が得意、デスクワークに従事したいという方にも合う職種があることを知っていただきたいですね。

内田さん:少なくとも僕が見てきた現場では、ベテランから高圧的な態度をとられた、上下関係が厳しくてつらい、なんてことはありませんでした。男性社会とも言われていますが女性の現場代理人も増えていますし、トイレや更衣室などの整備も進んできています。
負担の大きい作業は分担するのが基本で、できないことを無理に押し付けられることもありません。わからないことがあれば優しく教えてくださいます。
人も環境も、従来のイメージから大きく変わっていると伝えたいです。

山田

【この記事を書いた人】

  • 所属:県土整備部管理課
  • 名前:山田
  • 一言:アイドルのコンサートが生きがい。
    土木の魅力をはじめ、たくさんの情報を皆様にお伝えしていきます!