ビルミヤマガジン

2025/05/16

矢野興業interview【前編】 「えるぼし認定企業」女性活躍の鍵

『株式会社矢野興業(宮崎市)』は、宮崎県の建設業で初めて「えるぼし認定」を取得した企業です。

【えるぼし認定とは】
「女性活躍推進法」に基づき、女性活躍推進に関する取り組みの実施状況が優良な企業を厚生労働大臣が認定するもの。

高い評価を集める同社の先進的な取り組みについて、自身も働きながら3児の母として子育て奮闘中の同社総務部 課長の黒木さんに伺ってきました。

子育てと仕事の両立を叶える「育児サポート制度」!

― 矢野興業さんには、特徴的な「育児サポート制度」があると伺っています。
内容を詳しく教えていただけますか?

黒木さん:高校卒業までの子どもがいる従業員を対象に、1日4時間までの遅刻・中抜け・早退が可能な制度です。例えばお子さんの通院、学校行事、受験の送迎の際など、さまざまな場面で活用されています。
「生産性が下がるんじゃないか」という懸念の声もあり、はじめは義務教育期間である「中学校卒業まで」と対象を絞って導入されていたのですが、心配していたことはまったくありませんでした。そのため最終的には対象を高校卒業までに広げ、今の形で定着しました。
取得回数の上限はなく、所属長の許可さえ得られれば柔軟に利用できるのも大きな魅力です!

― 育児中の方のニーズにフィットした制度ですね。

黒木さん:そうですね。
私自身、3人の子どもを育てていますが、この制度にはとても助けられています。矢野興業に入社したのも実はこれが理由なんです。

黒木さん:前職は業務上どうしても時間の融通がきかなかったり、残業が多い時期があったりしたため、3人目の出産以降、子育てと仕事の両立に悩むようになりました。そんな時に知ったのが矢野興業の「育児サポート制度」で、ここなら今の自分にぴったりだと思い転職を決めました。
この他にも、毎週水曜日は「ノー残業デー」、令和6年4月から完全週休2日制を取り入れるなど、従業員のプライベートにまで寄り添った環境整備が行われています。
さらに、令和4年からは「建設ディレクター」という新しい職域を取り入れ、女性の活躍をさらに推し進めています。

房安さん(建設ディレクター):私も転職活動の際に同業他社をいくつか受けてはいたのですが、決定打となったのはやはり、女性が活躍できる環境が整っているという点でした。

ソフト・ハード両面から、従業員が働きやすい環境整備を。

― その他、職場環境改善のために実施されていることはありますか?

黒木さん:いろいろありますが、弊社独自の取り組みですと、近日始まる「YKGゲットスマイルプロジェクト」が挙げられます。
研修制度をさらに充実させたいという若手社員の提言がきっかけで始動したプロジェクトで、業務時間内に研修やセミナーを実施するというもの。
グループ会社の全社従業員を対象にアンケートを実施してニーズを掘り起こし、テーマが決定されました。その結果、資産形成や健康維持、ハラスメントなどに関心が高いとわかり、それぞれ数回にわたって実施することになっています。

ハード面では、昨年(令和6年)の春、矢野興業本社2階にある土木部・建築部のフロアをリニューアルしました。快適で開放感のある空間で、フリーアドレス(固定席を設けず、自由に席を選んで働くワークスタイル)を採用しています。

〔↑まるでカフェスペースのようなおしゃれな雰囲気!〕

すべての人が働きやすい企業へ。

現在、同社の女性従業員の割合は全体の2割弱ほどですが、「ゆくゆくは4割まで増やすのが目標」と黒木さんは語ります。
女性の活躍を推進するとともに、すべての従業員が働きやすい環境づくりを通して、土木建設業全体のイメージが大きく変わろうとしています。

山田

【この記事を書いた人】

  • 所属:県土整備部管理課
  • 名前:山田
  • 一言:アイドルのコンサートが生きがい。
    土木の魅力をはじめ、たくさんの情報を皆様にお伝えしていきます!